こんにちは、スタジオ真榊です。こちらはFANBOXのコメント欄やDMで寄せられたご質問と解決法をまとめてご紹介するQ&A集です。
個々にお答えするだけでは情報が散逸してしまってもったいないので、ひとところにまとめておくことにしました。質問を頂いた方に関する情報は伏せた上で、できるだけコンパクトにお届けできればと思います。
せっかくお寄せいただいたご質問にはすべてお答えしたいところなのですが、記事執筆だけでも自由時間の大半を使ってしまっているので、目を通せていないDMがほとんどです。個別にご返信するよりも、よく頂く質問にはこちらのコーナーでまとめてご回答するのがスマートかと思いますので、ご了承いただければ幸いです。
今後もここに掲載すべきご質問があれば追記した日時とともに順次掲載していきますので、よろしくお願いします!ちなみに、ローカル環境整備のやり方に関するTIPSはこちらにまとめていますので、併せてご参照ください。
Q3.手の修正方法の最適解はどうなった?

AIイラストの悩みの一つである「手」の描画ミス。指が増えたり減ったりグチャったり、左右反転したり…。スタジオ真榊FANBOXでもたくさんの記事で特集してきましたが、「環境も色々変わっているため、もし可能であれば、現時点での手修正の最適解をアップデートした記事を出して頂けるとありがたいです」とのお問い合わせがありました。
2025年時点のローカル生成において最適解をどう考えるかと言われると、「正確に四肢が生成できる最新モデルを使って、バリエーション生成とインペイントとAnytestと手修正LoRAをうまく使い分けましょう」ということになろうかと思います。
現在のローカル生成の主流はillustrious(NoobAI)系かpony系か、いずれにしてもSDXL環境であることは間違いないでしょう。モデルそのものの生成精度は日進月歩でちゃんと進化していますので、いまどきのモデルを使っているのであれば、ちょっとガチャを繰り返せばそれなりにきれいな手が出てくるようになってきています。SD1.5時代なら「Negative Embeddingsや手修正LoRAを使いましょう」「Controlnetで線画で直しましょう」ということになろうかと思いますが、現時点では「まずは正確に四肢が生成できる最新モデルを使いましょう」というのが最初にお伝えしたいことです。

これは「bad hands,6 fingers」などをこれでもかと積んだbad handミナちゃんですが、左上以外はちゃんと5本指になってしまいました。イマドキのモデルは相当優秀です。
①バリエーション生成
詳しいやり方はこちらの記事で紹介していますが、気に入った構図やポーズのイラストができたのに、手だけがおかしくなっている…という場合は、まずは低variation seedでガチャを引き直してみることをオススメします。
うまくできた一枚(ただし手は失敗)のSeed値をリサイクルボタンで呼び出して、「その他」ボタンを押し、バリエーション強度0.5~0.8程度で再度4枚生成してみます。手がきれいに直った一枚が出てくればそれで解決です。
②NAIv3インペイント+img2imgアップスケール
こちらはやや丁寧なやり方。いったんNovelAIv3のインペイント機能でおかしくなった手を塗り潰して「detailed hand」などの単純タグで生成しなおします。(手袋をしていたり、ピースサインをしていたりする場合は別途必要タグを記入しましょう)

V3インペイントのコツは、できるだけ大きいキャンバスサイズを指定すること。長辺が2048pxくらいにするとよいでしょう。(4:3の比率なら1536x2048pxなど)

あとは、これで得られた画像をもとにアップスケールを行えばOKです。アップスケールのやり方は人それぞれですが、例えば汎用Controlnet「Anytest v3」を掛けて線画部分を保持しつつ、美麗な塗りができるモデルで強めにi2iを掛けるなどすれば、インペイント痕が消えてより自然な仕上がりになるはずです。
③線画レベルで修正(加筆が得意な方向け)
多少描ける方なら自分で加筆してしまうのが手っとり早いでしょうが、いちいち塗り直すのが面倒ということもあるでしょうから、線画レベルに戻して修正して生成し直すという手法もあります。

やり方は簡単で、いったん破綻したイラストをControlnetのプリプロセッサ「Lineart realistic」などに掛けて白黒反転した線画化します。出てきた画像を「↓」ボタンでダウンロードし、画像編集ソフトで間違っているところを線画レベルで修正。(画面右のEditボタンからwebUI上で直すこともできます)

余計な指を黒で塗りつぶしたら、歪みツールで少し自然に整えてあげます。必要なら白いペンで線を書き足しましょう。

修正ができたら、ふたたびControlnetに戻します。今度はプリプロセッサなしでLineart系のモデルに放り込めばOK。ここでは線画を守る力が強い「Anytest v3」を使用しました。

あとは最初にこの画像を生成したのと全く同じ設定(Seed値なども同じにしましょう)で生成すれば、入力した線画に従って画像を生成できます。

これが修正前後。手以外もわずかに変化してしまいますが、手だけを直したいという場合は2枚をレイヤーで重ねて、手の部分だけ合成してしまえばよいでしょう。

このように、破綻した手の加筆については、ペンタブとクリスタ(Clipstudio)さえあれば絵心がなくても結構それなりにやれます。こちらの記事を参考にぜひ挑戦してみてくださいね。(ただし素人でもできるのはフラットなアニメ塗り限定で、リアルタッチになるほど加筆難易度は急上昇します)
④「手修正LoRA」+「手ADetailer」を使う
昔ながらの「正しい手を多数学習したLoRAで打率を上げる」手法も引き続き有効ではあります。こちらのSDXL向けLoRAは、イラスト系でも写実系でも適用可能で、正確な手を描ける確率をある程度上げてくれます。ただし、キャンバス全体の構図を変化させてしまうこともあるので、クォリティタグのようにして常に掛けるのやめておいたほうがいいでしょう。
総じて言えるのは、「AIはもっともらしいウソをつく技術なので、"絶対"はありえない」ということです。AI段階でできるのは「打率を上げる」ことと「ミスをよりもっともらしく」することまで。もし「絶対」を求めるのであれば、人間による確認と修正がどんな時も必要になります。








