こんばんは、スタジオ真榊です。2025年5月5日に、NovelAIの最新ナンバリングモデル「v4.5」の先行公開バージョン「v4.5 curated」がリリースされました。フルバージョンではないため、まだNSFW画像などの生成はできませんが、学習知識を単に拡張しただけでなく、さまざまな新機能を備えた進化版になっているとのこと。このところ更新が立て込んでいますが、GW最終日にできる範囲で、いつも通り最速レビューをやっていきたいと思います。
前回のモデル更新は3月1日、NAIv4のフルバージョン公開でしたから、わずか2か月で次世代モデルが先行公開されたことになります。NAIv4のときも最速レビューを行っていますので、こちらも併せてご参照ください。
1.進化ポイント概要
まずはv4からの進化ポイントを確認してみます。バージョンのナンバリングは「4.5」となっていますが、NAI公式によればかなり大型のアップデートのようで、「v5」としてリリースする案もあったとのこと(下図)。

NAI公式の説明によれば、データベースの最新化によって、これまで生成できなかったキャラクターや概念が高品質に生成できるようになったほか、VAEも自社製カスタムVAEに換装。「高忠実度・高品質・広範な知識を兼ね備えた、最先端アニメ画像生成AIモデル」とうたっています。v4に比べるとクセがなく、「思い通りの絵を出しやすい」とのことです。
このあたりは全体的な機能向上ですので、ぱっと生成して違いが分かるたぐいのものではありません。「v4で生成できなかった最新アニメのキャラクターが生成できるようになった」的な進化は分かりやすいのですが、この記事ではそういうポイントよりも、もっとはっきりした進化ポイントを検証してみたいと思います。
2.プロンプト強調が安定・進化
NovelAIには、プロンプトを{{{{{{このように記入したり}}}}}}、1.5::このように::記入することで、それぞれのプロンプトの強度を強めることができます。ただ、v4ではプロンプトを{}や::などで強調してもあまり効きに変化が出にくく、強めすぎると崩壊する傾向が報告されていました。V4.5ではこの点について大幅に改善が施され、「::を使って10以上の強調を行っても画像が崩れなかった」とのこと。
・「angry」を強調してみる
早速実験してみます。こちらはv4.5Curatedモデルを使い、スタンダードなミナちゃんのプロンプトを生成したもの。

このプロンプト冒頭の「angry」を「〇::angry::」に置き換えて、どんどん強調してみましょう。Seed値などもすべて同じにしています。
まず、こちらが強度1.2です。特に上の画像と変わりがありません。

強度2。ほとんど変化がありません。

強度4。多少怒り度が上がりました。

強度6。anger vein(怒りマーク)が出てきて、表情もきつくなりました。

強度8。キャラクターの顔立ちに変化が生じましたが、画面全体の崩壊はしていません。

強度10。さらにある種の「キャラクター崩壊」はしていますが、きちんとイラストとして成立していますし、angry部分以外の影響もわずかなようです。

「強度10でも崩壊しない」という公式のうたい文句は確かなようです。むしろ、以前は強度1.5程度でも相当な変化が生じていたので、数値に対する反応はマイルドになったと言えるかもしれません。
実際、全く同じ条件で、「V4」を使って生成すると、このように画面全体が大崩壊してしまいます。v4.5では、実際に著しい機能向上が得られているようです。

・「wide-eyed,glowing eyes」を強調してみる
他のタグでも実験しました。この「wide-eyed,glowing eyes」タグを強めてみます。

強度2

強度5

これが強度10です。目の光量は数字通り増量していることが分かりますし、wide-eyedにはあるところで限界があることもなんとなくうかがえる結果となりました。

3.「負の強調」が可能に
「::」を使った数値強調では、プラス方面だけでなく、マイナス方面にも活用できるようになりました。例えば「-1::angry::」とすると、このように笑顔になります。

では「-10::angry::」にすると超笑顔になるかというと、そうでもなく、-5あたりからさほど変化がなくなります。

怒りの反対概念は確かに笑顔ではあるのですが、おそらく怒りと笑顔は1:1の関係ではなく「平静」「無表情」などの概念も混じっているため、このように笑顔度はあるところで頭打ちになるのだと思われます。
マイナス強調はStableDiffusionのプロンプティングやLoRAではよく行われており、ネガティブプロンプトとともに我々も馴染んでいるテクニックです。flatLoRAをマイナス適用して描き込みを増やすような使い方はだれしも普段からやっていると思います。NovelAIでも、例えばflat colorを強度2にするとこのようになりますが…

flat colorの適用度を「-2」にするとこのように、書き込みを任意に増やすことができます。まさにFlat LoRAと同じことができるわけですね。

こうした使い方はネガティブプロンプトではできないので、アイデア次第でさまざまな表現が可能になるかと思います。下記のようにいろいろなタグで試してみましたが、画風やカラー、塗りをコントロールしたり、年齢や身長、バストサイズを調整するなど、かなり広範な使い道がありそうです。
<主な検証例>
・sketch+2(背景がなくなり、線画がラフになる)

・sketch-2(線画が丁寧になり、背景も増える)

・bold +2(線画の太さが増し、厚塗り気味に)

・bold -2(線画が細くなり、水彩系の繊細なカラーリングに)

・large breasts +2(デッッ)

・large breasts -2(平らになる。さらに強めるとchibiキャラのような効果が出た)

・子供化 +2(普通に子供化する)

・子供化 -2(老いていくわけではなかった)

・fat +2(デブる)

・fat -2(痩せる。数字を大きくするほどどんどん痩せていって最終的に概念のようになるのでとてもホラー)

・検証結果小括
さまざまな検証で分かるのは、太る/痩せるのように単純な反対語のある概念の場合、マイナス適用するとスライダーのように利用できて便利だということです。一方、「sketch」などのように単純な「反対語」の関係ではなく、より複雑な要素を持つ概念の場合、必ずしも予想した効果はなく、マイナス適用を強めていってもある程度で頭打ちになることが分かりました。
例えば、「水彩画(watercolor medium)」をマイナス適用しても、反対語が明快にある概念ではないため、このように効果がはっきりしない結果となります。

NovelAIのモデル学習次第ですが、マイナス適用すると面白い/便利なタグはまだまだたくさんあると思われます。例えば、人物がどうしてもこっちを見てしまう場合は「looking at viewer」をNPにするのが常道でしたが、マイナス適用することで外すことができますし、タグの中に複数概念が学ばれてしまっているとき(pencil画風にしようとすると鉛筆が描かれてしまうなど)、マイナス適用を使って誤用を回避することなどができるかもしれません。

▲straight-on(正面構図)をマイナス適用して横にずらしていくことも可能





