こんにちは、スタジオ真榊です。今回は、アニメ調のイラスト生成に特化したローカルモデル「NoobAI-XL」についての検証記事です。Animagine系、pony系に続いて流行の兆しがあるIllustrious系のモデルとしては決定版と言える高機能を誇り、10月27日に最新バージョン「Epsiion-pred 0.75」が公開されたことで、SNS上でもよく名前を目にするようになりました。

【11/03 22:27追記】記事配信直後に、完成(100%)バージョンの「Epsiion-pred 1.0」が公開されたため、サムネイル及び記事内容を最新のものに差し替えています。

NoobAIXLはNSFW生成や版権キャラクター再現に非常に優れており、NovelAIv3をローカル化したような使用感のアニメ調モデルです。danbooruタグはもちろん、自然言語でのプロンプト指示も効くため、例えば「春麗のコスプレをしてポーズをキメているミオリネさん」とか「ダンジョン飯のキメラファリンのコスプレで渋谷を練り歩いているスレッタ」といった指示をすると、簡単に意図したものを生成することができます。

さらに、複数のコマから構成されている1ページ漫画をフキダシ込みで一発生成することも可能。各種Controlnetとの連携で、「コマ割りを指定した生成」「未完成のコマだけを埋める」ーといったこともできるようです。

ただ、NoobAI-XLは記事執筆時点でまだ開発中のモデルとされており、ライセンス内容にもよく注意して利用する必要があります。「画像販売の禁止」「利用時のクレジット明記義務」「マージモデル配布の禁止」など、かなり厳しい内容となっていますので、よく確認するようにしてください。

この記事では、NoovAI-XLの内容やライセンス内容、禁止事項に始まり、プロンプト指示のコツや、主要Controlnetの利きなどをまとめていきたいと思います。(生成画像の収益化がライセンス上できないため、解説に必要な画像はリンク先をご覧ください)

1.NoobAI-XLはどんなモデル?

1.NoobAI-XLはどんなモデル?:図版1

NoobAI-XL配布ページよりスクリーンショット引用(Epsiion-pred1.0公開後のもの)

Laxhar Lab」が開発したNoobAI-XL(通称NAI-XL)は、「Illustrious-XL」をベースに開発されたSDXLモデルです。Noobは「初心者」「ビギナー」を意味するくだけた言い回し("新参"とか"シロート"みたいなニュアンスでしょうか)。「LoRA 使用の必要を最小限に抑え、初心者に優しいワンクリックSDXLアニメモデルをリリースしたい」という公式の意図が反映された名称のようです。

NoobAI-XLは、自然言語でキャプションが付けられたDanbooruとe621の最新のデータセットで学習されています。そういう意味では、AnimagineとponyとIllustriousのいいとこどりのようなモデルと言えるかもしれません。公式の説明によると、学習させた3,500人以上のキャラクターのうち9割近くについて、LoRAなしで高精度に再現できたとのこと。下図のように、かなり最近の作品まで広範にフォローされているようで、「再現できないキャラクターがいた場合はフィードバックして欲しい」ともアナウンスされています。

こちらは、Civitai上で生成されたイラストの一例。かなり最近のキャラクターまでLoRAなしで幅広く再現できることがわかります。

LoRAなしで一つのモデル内に多くのキャラクターの容姿が学習されていると、1枚のキャンバス内にキャラクター同士を別々に描くことが容易になります。これまでのように、Forge Coupleでキャンバスの左右にプロンプト影響範囲を振り分けるようなことをしなくても、初心者でも複数キャラクターの同居するイラストが生成できるようになっていると言えるかと思います。

2.LoRAやControlnetの効きは?

AnimagineやPonyといったSDXLモデル用のControlnetや各種LoRAをNoobAIに適用した場合、効果があるものもありますが、精度が落ちるか、ほぼ使えないようです。以下、画像の販売がライセンス上できないため、過去ツイートのリンクで紹介していきます。

           ▲Flat LoRAやboldLoRAの適用結果

特に、キャラ再現LoRAはNoobAIかIllustriousXLをベースに作らないとほとんど再現性がありません。これは、左列がpony v6ベース、右列がAnimaginev3.1ベースの自作LoRAをそれぞれNoobAIに適用してボサリネさんを再現できるか試したもの。messy hairやblue tanktopなどのタグがないとほぼ他人になります。

3.利用規約と注意点

さて、実際に使い方について掘り下げる前に、まず利用規約を確認します。当たり前のことですが、あらゆるcheckpointやLoRA、Controlnetなどの学習済みモデル、そして各種webUIには当然利用にあたってライセンスがあります。

まずはCivitaiの主要説明書を見てみましょう。(下図はリンク先より収益化部分をスクリーンショット引用)

3.利用規約と注意点:図版1

・クローズドな形でのモデル収益化の禁止

NoobAIは「オープンソースのキャラ再現モデル」を目指しているとのことですので、NoobAIを誰もがオープンに操作できないような形で利用して、有償の画像生成サービスを提供することは禁止されています。

例えば、NovelAIv3はお金を払わないと使えないクローズド(閉鎖的)なモデルですが、あのようにNoobAIやそのマージモデル、ファインチューンモデルをクローズドな状態にして、利用したい人から料金を徴収するのはダメということですね。「賢木画風LoRAを混ぜて"賢木NoobAI"にしたからいいでしょ?」ということも当然ありません。

また、NoobAIそのものだけでなく、マージモデルを含む派生モデルについても、同じオープン精神とライセンスの順守が求められる点に注意が必要です。(詳しくは後述しますが、noobAIのマージモデルの公開は禁じられています)

・Fair-AI-Public-License-1.0-SDとは?

NoobAIはFair-AI-Public-License-1.0-SDというライセンスの下でリリースされている、との記述が見えます。一方で、Civitai画面の右側のライセンス欄(下図)では「CreativeML Open RAIL++-M」にNoobAI独自の条項を加えた「Addendum(附則)」へのリンクが記載されており、モデル利用者はこれらすべてを理解し、遵守することが求められています(下図はCivitaiの配布先の表記を引用。Chromeで機械翻訳したもの)

・Fair-AI-Public-License-1.0-SDとは?:図版1

(スクリーンショット引用:https://civitai.com/models/833294)

ベースモデルであるIllustriousXLでも採用されている「Fair-AI-Public-License-1.0-SD」は、Stable Diffusionのライセンスと互換性を持つ特殊なライセンスですから、いわゆる「フリーソフトライセンス」ではない点に注意が必要です(つまり、フリーソフトとしてNoobAIを自由に改変・再配布ができるわけではないし、このライセンス単独ではなくSDモデルのライセンスも並行して守る必要がある)。

このライセンスの主な目的は、モデル利用者にできるだけ広い自由を与えつつ、開発者側の権利を保護すること。そのため、下図のような禁止事項があります。(Chrome翻訳のため正確性に注意)

・Fair-AI-Public-License-1.0-SDとは?:図版2

ここには商用利用などについてというよりは、中傷や差別、未成年者への危害など、おおむね常識に照らして当然禁止されるであろう反社会的利用を禁止する事項が並んでいるかと思いますので、普通に使う限りはそこまで神経質になる必要はないかと思いますが、きちんと読み込んでおきましょう。

さて、このFair-AI-Public-License-1.0-SDには商用利用やマージモデルの公開などについては触れられていません。そのあたりについては、互換する「CreativeML Open RAIL++-M」と、NoobAI独自の「Addendum(追加規定)」を読む必要があります。

<ちょっと脱線:CreativeML OpenRAILって?>

Stable Diffusionなど、多くの画像生成AIモデルはCreativeML OpenRAIL-Mライセンスか、その拡張版ライセンスで公開されています。"-M"はライセンスの適用範囲がモデル(Model)に限定されていることを示しており、"+"(プラス)がついていると、

もとのライセンスに追加の条件、制限、または拡張が加えられているバージョンであることを示しています。

例えば、SDXL1.0のライセンスは「CreativeML Open RAIL++-M」です。