こんばんは、スタジオ真榊です。2025年11月20日、Googleが画像生成AIの最新モデル「NanoBananaPro」(正式名称・Gemini 3 Pro Image)を公開しました。既にGeminiやGoogleAIStudioのほか、Freepikなどの生成プラットフォームでも生成可能になっており、Photoshopにも搭載済。旧モデル(以下、無印NanoBanana)とは比べものにならない精度と文脈理解、非常に高い日本語レンダリング機能を備えており、一夜にして景色が変わったレベルの衝撃を感じています。

こちらは左が無印、右がProで生成した同じストーリーの漫画。

「NanoBananaPro」で創作はどう変わる?進化ポイントを徹底検証:図版1

画像編集ソフトによる文字入れはしておらず、吹き出し内も含めてすべて生成物です。これだけでも、「Pro」の文脈を理解する力と文字レンダリング機能の飛躍的向上が実感できます。

今回はデビュー初日の「最速レビュー」として、主に「無印」と「Pro」の違い、進化したポイントに重点を置き、何ができるようになったのか、まだできないところは何か、それによって創作のワークフローがどう変わるか、といったところをあれこれ検証してみました。

これまでの主なNanoBanana特集はこちら。

「NanoBananaPro」とは

まずは現状の整理から。Google DeepMindは2025年11月20日、最新の画像生成AIモデル「Nano Banana Pro」を発表しました。無印のNanoBanana(Gemini 2.5 Flash Image)が発表されたのは8月26日でしたので、約3カ月でフラッグシップモデルが更新されたことになります。無印登場の際は、あくまでNanoBananaは通称という扱いでしたが、現在はむしろ「Gemini 3 Pro Image」よりネームバリューが出てしまったので、公式もNanoBanana呼称を積極的に使うようになっています。

Googleはこれに先だって、最新LLMモデル「Gemini 3 Pro」を公表。体感でも各種ベンチマークでも、ChatGPT5.1を大きく上回る圧倒的性能を示しています。NanoBananaProはこのGemini 3 Proの「世界知」を利用することで、指示の文脈をより深く理解してキャラクターの一貫性を保つことができるようになったモデル。無印とは比べものにならないレベルで、複雑・広範な指示に対して柔軟に対応できるようになっています。

公式の説明やSNSなどで見られる実際の生成例をまとめると、主な性能向上ポイントは以下の通り。

・自然言語指示への対応力が飛躍的に向上し、操作者の意図や文脈をより深く理解できる

・最大14枚までの画像を入力可能。5人までのキャラクター容姿を一貫性保持できる(※プラットフォームによっては入力枚数制限あり)

・日本語レンダリング機能が飛躍的に向上。漫画1pを吹き出しつきで生成可能に

・文字装飾のバリエーションや一貫性も向上しており、場面に応じた字体を使用可能(※有償フォントを模倣すると権利問題になるので要注意です)

・定番のカメラアングル変更のほか、フォーカス、ライティング、カラーなどの調整がより高度に

・「右から3番目をこのキャラに差し替えて」「右上の鳥だけを消して」など、画像の一部を指定して変更する「インペイント」編集がより正確に

・高度な画像翻訳機能を備え、写真やスクリーンショット内の文字を別言語に変更可能

・1Kから最大4Kサイズでの画像生成が可能に

・いわゆる「インフォグラフィック(概要説明図)」やコンテンツのサムネイル画像が実用レベルで作成可能

いずれの機能も「無印」やSeedream4.0など既存モデルでもある程度可能ではありましたが、「Pro」はそれらと比較にならない利便性を実現していると感じます。とはいえ、生成ミスが全くないわけではなく、まだできないこともあるようですので、一つ一つ実際に検証してみたいと思います。

以上の文章をNanoBananaProに読ませて作らせたインフォグラフィック

   ▲以上の文章をNanoBananaProに読ませて作らせたインフォグラフィック

「NanoBananaPro」はどこで使える?

Nano Banana Proは、Geminiアプリで「Thinking」モデル(つまりGemini 3 Pro)を選択した上で、ツールボタンから「🍌画像を作成」をオンにすることで無料ユーザーでも使用が可能です。

「NanoBananaPro」はどこで使える?:図版1

ただ、無料ユーザーでは生成量に制限があり、一定枚数を超えると無印版に戻ってしまうとのこと。Google AI Pro(月額2,900円)、Ultra(月額36,400円)といった有償ユーザーの場合は、より多くの枚数が生成可能ですが、Proは「上位」、Ultraは「最上位」とだけ書かれており、それぞれの具体的な制限枚数は不明です。(ちなみに最安価のGoogle AI Plusは日本では未展開)

「NanoBananaPro」はどこで使える?:図版2

Google AI Studioでも使用が可能ですが、無印と違い、NanoBananaProの利用には有償のAPIキーが必要。とりあえず体験してみたい方は、まずGeminiで触ってみるのが早いと思います。

「NanoBananaPro」はどこで使える?:図版3

このほかにも、スタジオ真榊でも年払い契約している「Freepik」や、「SousakuAI」などさまざまな画像生成系プラットフォームでNanoBananaProの実装が進んでいます。

・FreepikにおけるNanoBananaPro

「Freepik」では、Premium+とProの年間プランで利用が可能。1K・2K生成は無制限で、4K生成にはクレジットを消費しますが、本日から1週間は無制限とのことです。

Freepikでは競合モデルであるSeedream4も使用でき、速度やUIも満足しているのですが、高価なのが玉に瑕。また、当初は無制限に4枚同時生成を乱打できた「Premium+」プランもやや改悪され、月間一定量を超えると速度制限が掛かるようになっています。Freepikについてはこちらの記事も参照のこと。

実際の使用画面はこのような感じ。モデルを選び、入力画像を読み込ませて、日本語で指示すると、このように生成結果が表示されます。指示文章は右側からリユースする(呼び出す)こともでき、生成画像を新たな入力画像にするのもドラッグ一発です。ちなみに、無印NanobananaやSeedream4は4枚同時生成ができたのですが、NanoBananaProは1枚ずつの生成しかできない点に注意が必要です。

・FreepikにおけるNanoBananaPro:図版1

生成サイズやアスペクト比はこちらから指定可能。NanoBananaは無印時代からアスペクト比の忠実再現が苦手で、Proでも縦型を指示しているのに横型のキャンバスで出力されることが何度かありましたが、精度は上がっている印象です。画像サイズは1K~4Kが指定可能。先述した通り1K、2Kなら11月27日までの1週間、Premium+の「∞Unlimited」モードで使用できます。

・FreepikにおけるNanoBananaPro:図版2

このシステム、無制限なのか無制限じゃないのか分かりにくいのですが、一言でいうと「右側の∞ボタンをONにすると、月間一定量だけクレジット消費なしで高速画像生成ができますよ」というもの(公式説明参照)。つまり27日以降は、Premium+プランでも「NanoBananaProを使いたいなら毎回クレジット消費してね」となるわけですね。

Premium+プランで最高速度の生成がクレジット消費なしでできるのは、1カ月あたり1000枚まで。その後は鈍足になり、プランに応じてもらえるクレジットを消費すれば最速に戻せる(足りなくなれば追加購入)という仕組みです。クレジットについてはやや複雑なので、こちらの公式解説消費クレジット一覧を熟読のこと。プランごとの料金表はこちらです。

・FreepikにおけるNanoBananaPro:図版3

簡単にまとめますと、月額5,850円、年払いで3,656円のPremium+プランは月払いプランなら月45,000クレジット(次月繰り越しなし)、年払いプランなら年540,000クレジットを自動付与され、NanoBananaProは1枚あたり250-500クレジット消費する仕組み。1K-2Kは1000枚まで無制限、それ以降は月180枚まで最速にできて、4Kは来週から無制限使用不可、月額クレジット換算だと月90枚までということですね。

・FreepikにおけるNanoBananaPro:図版4

・PhotoshopにおけるNanoBananaPro

Adobeの各製品にもNanoBananaProの実装が始まっていますので、Adobe税を納めている皆さまはさっそく使うことができます。FireflyのWebアプリ版で画像生成ができるほか、Photoshopでも「生成塗りつぶし」機能で使えるサードパーティAIにNanoBananaProが追加されていました。(Beta版からではなく、既に正式版に搭載されています)

選択範囲を指定すると出てくる「生成塗りつぶし」を選択し、右側のモデル選択ボタンを押せば、このように「Gemini3(NanoBananaPro)」が選択できるようになっています。

・PhotoshopにおけるNanoBananaPro:図版1

ちなみに記事執筆現在、AdobeはBlackFridayセール中(個人向け・法人向け50%OFF・11/28まで)ですので、加入を迷っている方は今がチャンスかもしれません。

Photoshopと連携できると、NanoBananaProの使い勝手はさらに向上します。例えば「被写体の選択」が一発でできるので、反転して背景だけを選択。

・PhotoshopにおけるNanoBananaPro:図版2

NanoBananaProの塗りつぶしで、「女の子が満開の桜の下で笑顔を浮かべています」とすると、キャラ部分を保持したままこのような画像変更ができます。キャラクターへの光の当たり具合を踏まえて、自然になじむよう背景も夕方のライティングになっていますね。

・PhotoshopにおけるNanoBananaPro:図版3

PhotoshopにおけるNanoBananaPro活用についてはこちらの記事を参照のこと。Freepikなどのプラットフォーム上で生成するのとは異なり、画像編集ソフト上でダイレクトに活用できる上、「調和」機能などと連携させることで全く新しい創作体験ができるようになっています。

実践

さて、ここからはさっそく各種検証を行っていきます。無印のレビューで行った17種の比較実験を軸に、どんな部分が進化したのか、まだできないのはどんなことなのか、さまざまな検証を行いました。せっかく1週間無制限生成ができるので、基本的に生成にはFreepikの1Kもしくは2K生成を使用しています。

Freepikでは、アスペクト比をこのような選択肢から選べます。autoにしておくと、指示に応じて自動的に適切な比率が選ばれます。(ときおり指示と異なるアスペクト比になることもありましたが、おおむね守ってくれました)

実践:図版1

・生成できない指示内容

無印に引き続き、性的な指示や実在人物に関する生成はエラーが出て断られます。「胸が大きいことを強調してください」は通るのに「おっぱいが大きいことを~」などとすると引っかかることもあり、アウト・セーフのラインは言葉選びによってちょっと曖昧な感じもします。

Freepikにおいては、特に理由は示されずにこのようなエラーが出ます。特にHな指示をしていないのにこのエラーが出ることもあり、もしかするとアクセス過多などによって起こっていることもあるのかもしれません。

・生成できない指示内容:図版1

こうしたエラーが起きた場合はクレジット消費しないことになっていますので、指示損ということはありませんが、あまり規約違反の指示ばかりしているとBANなどになる恐れもありますので、いったんエラーが出たら文言を変えるなどしたほうがよさそうです。

前置きが長くなりましたが、さっそく実践例を見ていきましょう。

検証1.文脈を理解した文字込みの生成

「Pro」の進化が最も分かりやすいのがやはり漫画生成だと思います。既に商業作家さんからも活用例が出ていますが、日本語文字レンダリングの優秀さに加え、ユーザーが何を期待しているかを読み取るGemini3proベースの力量がしっかり感じられます。

「無印」との比較をしてみたのが、冒頭でも紹介したこちらの漫画です。左が無印、右がPro。比較にもならないほどの精度向上がしっかり実感できる仕上がりになっています。

検証1.文脈を理解した文字込みの生成:図版1

「Pro」ではプロンプト応答力が飛躍的に向上したことと、利用プラットフォームが変わったことから、使用するプロンプトは一部変更しています。

<左:「無印」で使用したプロンプト>

指示:この2人の漫画を生成してください。3コマが3段になっています。ヘアピンをしている1枚目が綾香、腕組みをしている2枚目があんなと言います。画像のみで返答してください。

1コマ目:街でばったり出会った二人。驚いた様子でお互いを振り返り、「あれっ先輩?」「綾香じゃん。久しぶり」

2コマ目:綾香の上半身と笑顔「先輩、変わりませんね~!」胸がとても大きいことを強調

3コマ目:複雑な表情のあんなの顔アップ。視線はやや下。「あんたはだいぶ変わったわね…」横に中学時代の二人の卒業写真。綾香とあんなが映っているが、二人とも胸が小さい。

<右:「Pro」で使用したプロンプト>

指示:この2人の漫画を生成してください。3コマが3段になっています。@img1 が綾香、@img2 があんなと言います。

1コマ目:街でばったり出会った二人。驚いた様子でお互いを振り返り、「あれっ先輩?」「綾香じゃん。久しぶり」

2コマ目:綾香の上半身と笑顔「中学以来ですねっ!」「先輩、変わりませんね~!」胸が大きいことを強調。横書きで胸のあたりに「ばい~ん」

3コマ目:複雑な表情のあんなの顔アップ。視線は下。「あんたはだいぶ変わったわね…」横に中学時代の二人の卒業写真。綾香とあんなが映っているが、二人とも胸が小さい。写真の綾香の胸のあたりに目立つ赤い矢印マークをつける。

下の2枚は、全く同じプロンプトでProを使って再生成した2枚です。一コマ目で振り返る方向がミスっていたり、二コマ目のセリフがダブってしまっていたり、「BOING」なる謎の英訳が出てしまっていることなど、ミスもありますが、おおむねこのレベルの安定度であることが伝わるかと思います。

検証1.文脈を理解した文字込みの生成:図版2

<考察>

まず凄いのが、やはり日本語吹き出しの正確性でしょう。一つの吹き出しにどのように文章をおさめるかというのはなかなか難しいのですが、折り返し位置やサイズ、「しっぽ」の向きなど、ごく自然に仕上がっています。背景の色もキャラクターの感情に合わせて明るい黄色や暗い紫をチョイスするなど、指示した文章に明示されていない文脈を考えて、適切に判断できていると感じました。個人的に驚いたのは、「胸が大きいことを強調」という指示を汲んで、コマ枠の上におっぱいが載っかる漫画表現をしっかり出してきたことですね。

同じプロンプトだと、生成するごとに細部は変わりますが、おおむね全体の構図やカラーなどはSeed値によってさほど左右されないようです。キャラクターの一貫性保持力はSeedream4と同じくらいの印象。勝手にNanoBanana画風に変えることなく、かなり入力画像を再現できているように感じました。

ちなみに、1枚あたりの生成時間は無印とさほど変わらず数十秒程度ですが、Proの場合は4枚同時生成ができないのがネックです。