こんばんは、スタジオ真榊です。今回は、中国Bytedanceの画像生成AI「Seedream4」をComfyUIのAPIノード経由(従量課金)で利用する方法についての特集記事です。ComfyUI上でSeedream4に注文を出せるようになるまでの流れを確認し、Freepikとの規約や使い勝手の違いなどについて詳しく触れつつ、一貫性を保ったキャラバリエーション(アングル・表情・ポーズ)の出し方について、実践的な報告をまとめました。
当初はこちらの検証結果(Seedream4で出した画像バリエーションをデータセットにしたキャラLoRA学習法)をお伝えするつもりだったのですが、著作権上問題のないオリジナルキャラクター学習であっても、FreepikおよびSeedream4の規約が禁ずる「出力物を利用しての他モデルの学習」に抵触してしまうことに作業途中で気付き、がっくり。
NanoBananaやSeedream4、Sora2など強力な新モデルが次々に登場する中、あらためて各モデルが「できること・できないこと」に加えて「ユーザがやってはいけないこと」を規約を読み込んで確認する必要がありますね。事前の確認不足を反省しつつ、では規約の順守しながら従来のAI絵やAI漫画作りにどう活かせるか、さまざま検討してみたいと思います。
1.Freepikのおさらい
今回はFreepikとComfyUIの比較ということですので、まずはFreepikについて簡単におさらい。Freepikはさまざまな画像・動画生成モデルを横断使用できるスペイン発の有償プラットフォームです。高いプランを契約すると、NanoBananaやSeedream4を使って、無制限に同時複数生成を連打できるのが最大のメリット。料金体系や使い勝手は既にまとめてあるので、こちらの記事をご覧ください。
先日、PhotoshopのBeta版にNanoBananaが搭載されたことで「せっかく年払い契約したFreepikを使わなくなってしまうのでは…?」と思いましたが、正式版Photoshopに搭載されるまでは生成物の商業利用が推奨されない(正確にはAdobeの補償対象にならない)ほか、ある程度使うとプレミアムプラン移行を求められる等、気軽に使うにはそれなりに障壁があり、高速に同時複数枚生成が連打できるFreepikの優位性は現時点では崩れていないように感じます。いやほんと、回し者かと思われてもおかしくないほどよく使います。
NanoBananaよりSeedream4の方が、キャラクターの印象を維持したまま任意のアングルでポージングできるので、キャラクターの設定資料や漫画のコマ、ゲームの立ち絵などを作るのに大変便利。AI絵の背景を埋めたり、凝った構図を作ったりするのにも、Freepikは欠かせないツールとなっています。NanoBananaがPhotoshop正式版に導入されたとしても、かなりきつめなAdobe税が掛かることが予想されるため(※ポイント追加購入制)、気軽に高速複数連打できるのはFreepikならではの強みだと思います。
2.Freepikの利用規約
さて、そんな「超高いけど超便利」なFreepikですが、こちらのFreepik利用規約(Terms of Use)を参照すると、AI製品の利用規約(AI Products Terms and Conditions)の項目にこのような禁止用途の一覧があります。

(※ https://jp.freepik.com/legal/terms-of-use より機械翻訳をスクリーンショット引用)
「FreepikのAI出力物を使用して(略)別のAIモデルを抽出、変更、または学習すること」(Use the Outputs to distill, modify, or train another artificial intelligence model, including any process that involves the transfer of patterns, weights, parameters, activations, or intermediate data representations, or the generation of synthetic data to induce another model to function similarly.)
この条項は、競合する大規模なAIモデルの学習だけでなく、私的にオリジナルキャラクターやシチュエーションのLoRAを学習させる場合であっても、Freepikの出力物を使うことは規約違反になると読めます。また「6」を読むと、ヌードだけでなくわいせつなジェスチャーレベルであっても、センシティブな生成が禁止対象であることが確認できます。
その他、Freepik上で生成した画像の使用許可については、こちらのFAQにも書かれています。上記規約と合わせて御確認ください。
まとめると、漫画やAIイラストの一部に使ったり、商用利用したりすることは可能な一方で、LoRAなどの学習に利用するのは禁止ということ。また、露骨なHシーンなどR-18だけでなく、わいせつなニュアンスのある画像の生成は規約違反になる恐れがあるーといったところが注意したいポイントですね。
3.Seedream4のAPI利用規約
では、Seedream4をComfyUIの「APIノード」経由で利用する場合は、どの規約を読めばよいのでしょうか。Seedream4は 中国ByteDanceが開発した画像生成モデルですが、APIとして提供・課金・規約管理しているのは ByteDanceのB2B部門である「BytePlus」ですので、ユーザはBytePlusのTerms of Useやモデルサービス特約、Acceptable Use Policyなどに縛られることになります(※もちろんComfyUIの規約も遵守する必要があります)。

(▲ https://www.byteplus.com/ja/product/Seedream より)
ざっくり言うと、基本的にユーザーは次の①利用規約(ToS)と②利用許諾(AUP)に縛られるのですが、利用するBytePlusのサービスによっては更に縛りを強める特約や利用許諾(③・④)がくっついてくるような構造になっています。かなり複雑なので、一つ一つ見ていきます。
【①利用規約ーTerms of Use】
【②利用許諾ーAcceptable Use Policy】
【③モデルサービス特約ーService-Specific Terms】
【④生成AIサービス利用許諾ーBytePlus GenAI Acceptable Use Policy】
まず大基本の「①利用規約(ToS)」においては、全体・基本的な規約、責任の範囲などが述べられていますので、ざっと読んでおきましょう。
何を生成してよいか、生成物を何に使って良いかに関わってくるのは、次の「②利用許諾(AUP)」。
以下のようなサービス利用が禁止事項となっています。

(※該当部分の機械翻訳。非公式の翻訳であることに注意)
・「他者の著作権、商標、その他の知的財産権、プライバシー権、またはデータ保護権を侵害する、または侵害する可能性のあるコンテンツ(の生成)」
・「BytePlusのオファーまたはサービスと直接的または間接的に競合する商用オファー、またはサービスを創出するため、または、このような使用により BytePlus のオファーまたはサービスと直接的または間接的に競合する商用オファーまたはサービスが創出される可能性がある個人または団体の利益のために使用すること」
あたりが、知らずに踏んでしまいそうなポイントです。
また、あとで触れますが、ローカルにおけるSeedream4はFreepikなどと違い、R-18生成指示への制限がありません。しかし、AUPにおいては上記の通り、「わいせつ・卑猥(obscene)なコンテンツ」や「性的に露骨な内容を宣伝するコンテンツ(any content promoting sexually explicit material)」の生成に利用することが禁じられていることを確認しておきましょう。何をもって「わいせつ」とするか、「性的に露骨なコンテンツ」でなく「宣伝する」とはどういうことかなど、解釈の余地はあろうかと思いますが、基本的にR-18生成は認められていないと考えてよいでしょう。
次に、③モデルサービス特約を見てみます。こちらには、EU区域内での利用は絶対禁止だよとか、モデルを利用するときは①や②のような規約にも同時に縛られるからねといったことのほか、以下のような用途でBytePlusのモデルを利用するのは禁止と記述されています。

(※該当部分のAI翻訳。非公式の翻訳であることに注意)
上記(c)で、BytePlusモデルサービスの出力物をモデル開発や学習、ファインチューンに利用するのは禁止されていますので、API利用であっても、Seedream4を使って学習を行うのは不可ということになります。(④はBytePlusの直接運営するプラットフォームを使う際の特約ですので、ここでは割愛)
ここまで読むと、ユーザとしては「SNSなどに出さない、完全な私的利用の場合はどうなの?」「ComfyUIでHな画像を出しても、他人に見せなければいいのでは?」などが気になりますが、規約は以上の通りですので、私的利用かどうかを問わず、禁止された利用をした時点で違反となります。ComfyUIでのAPI利用はBytePlusのGPUサーバを使うので(自分のPCのGPUは使いません)、規約違反の生成を繰り返しているとアカウント利用停止など何らかの不利益を被る恐れがあり、特に注意すべきポイントかと思います。
これらの規約内容は大変多岐にわたりますし、相互の関係も複雑で、モデルサービス等の定義や各条項が縛る対象がやや分かりにくい点があります。個人的にはFreepikとほぼ同じような感じで「R-18生成やLoRA学習利用は禁止」と理解していますが、念のためBytePlusのサポート窓口へ確認のメールを送っていますので、返答がありましたらこちらに記載したいと思います。
いずれにしても、各サービスの利用規約についてはくれぐれも各位で入念な確認をお願いいたします。特に、クローズドモデルの利用についてはAPIや他プラットフォーム利用などで落とし穴が多く、「プラットフォーム規約ではOKでも、おおもとのモデル提供元の規約でアウト」ということがありえるので、関係する規約をよくよくチェックして自己防衛するようにしましょう。






