【記事追記通知】20251001:「生成クレジットとは?」の項に、手元環境でのクレジット消費について追記しました。おおむねBeta版の仕様が判明しました。

こんばんは、スタジオ真榊です。NanoBanana登場時から示唆されていたことですが、Adobe Photoshopのβ版に、ついにGoogle製画像生成AI「NanoBanana」(Gemini 2.5 Flash image)が搭載されました。もともとAdobeの画像生成モデル「FireFly Image3」が使われていた生成塗りつぶし(Generative Fill)に、「パートナーモデル」としてNanoBananaやFLUX.1 Kontextが追加された格好です。

PhotoshopβにNanoBanana搭載!何が変わった?最速レビュー:図版1

NanoBananaそのものが凄いのは言うまでもないのですが、Photoshop(Beta)にもともとあった「背景削除」「調和(ハーモナイズ)」といった機能、そして色調調整や投げなわ選択などの基本画像編集機能と掛けあわさったことで、これまでとは全くフェーズの異なる画像編集体験ができるようになっています。

また、NanoBananaの弱点だったキャンバスサイズの自由度が低いところ、解像度がおおむね1024px四方のサイズに限定されるところ、インペイント用途に使いにくいところが、Photoshop Betaならうまく回避できてしまうのもポイント。ワンストップのツールで、非常に自由度の高い画像編集が可能になっています。

とはいえ、β版はあくまでβ版。今後、製品版のPhotoshopにも搭載されることが予想されますが、現時点でどういった契約条件で使えるのか、「生成クレジット」消費制はどのようなルールなのか、商用利用の規定はどうなっているか等を確認しつつ、Photoshopβ版のNanoBananaがどんな使い勝手なのか、最速レビューのかたちで検証しました。

Photoshop「β版」とは?

Photoshop「β版」とは?:図版1

Adobe「Photoshop Beta」は、今後追加される予定の新機能やAI機能をいち早く試すことができる、テスト版のPhotoshopアプリです。Photoshop正式版との主な違いは、NanoBananaなどを使った生成塗りつぶしや「調和」、「生成アップスケール」といった実験段階の機能を使えることですが、β版のみの機能は商用利用が制限されていることに注意が必要です。

ベータ版はPhotoshopの単体プランやフォトプランなど、Photoshopが使える有償のサブスクリプションプランに加入することでインストール可能になります。7日間の無料体験期間もありますので、この機会に試してみるのも良いでしょう。

Photoshop「β版」とは?:図版2

(https://www.adobe.com/jp/products/photoshop/plans.html よりスクリーンショット引用)

・生成クレジットとは?

ベータ版を含むPhotoshopで生成塗りつぶしなどのAI生成機能を使う場合、基本的にそれぞれのプランで毎月配布された「生成クレジット」が差し引かれます。「生成塗りつぶし」などの基本的な画像生成機能は1回につき1クレジット消費するだけですが、動画生成などの機能はもう少し多くのクレジットが必要になります。(詳しくはこちらのFAQ参照のこと)

これまで普段のAIイラストづくりでAdobeの生成機能を使うことはそこまで頻繁にはなかったのですが、NanoBananaが搭載されるとなるとかなりこのクレジットの残量が気にかかる部分ですね。特に、Freepikなど別のプラットフォームで既にNanoBananaなどに課金している場合、どのようにサブスクを管理していくか非常に悩ましい時代となりそうです…。

各プランごとの生成クレジットはこちらから確認できます。これを見ると、2025年6 月17 日以前にサブスクを開始した人は優遇されている(というかそれ以降改悪された)ことが分かりますね。

・生成クレジットとは?:図版1

生成クレジットは翌月に繰り越されず、毎月決まった配分量にリセットされますので、毎日のように使うなら結構な死活問題です。残りクレジットやリセット日は「アドビアカウント」から、右上のアイコンをクリックすることで確認することができます。

・生成クレジットとは?:図版2

【20250928追記】いまのところ、私の環境ではPhotoshopBeta上でのNanoBanana生成によるクレジットの減少が確認できません。また、9月11日付のパートナーモデルの生成クレジット消費量を調べると、1回の生成ごとに 20 クレジット(※期間限定)と表記されており、この基準だと12回の生成で即使い切ってしまう計算になります。

・生成クレジットとは?:図版3

契約プランは年払いのフォトプランです。Beta版は実験的機能のため消費しないのかと思いましたが、フォロワーさんからはBeta版でNanoBananaをたくさん使っていたら制限が掛かったとの報告(※)があり、AdobeのFAQを読んでいても今のところ詳細が分かりません。今後製品版に統合される場合、どのような料金形態になるのかは引き続きウォッチしないといけませんが、あまり高額なようだと普段使いが難しくなってしまいますね。

【※20251001追記】その後、BetaでのNanoBanana生成を続けていたら、私の環境でもこのようなメッセージが表示されました。Photoshop Beta版ではやはり内部的にパートナーモデルを使った無料生成の体験枠が設定されており、それを使い切ると利用できなくなるようです。

・生成クレジットとは?:図版4

こちらのFAQには、パートナーモデルでの生成は「プレミアム機能へのアクセスがあるプランでのみ利用可能」とあります。フォトプランで配布されるクレジットが消費されなかったのは、「プレミアム機能の無料体験」という扱いだったからですね。

・生成クレジットとは?:図版5

さきほどのメッセージから「アップグレード」をクリックするとこのような画面になります。Beta版でNanoBanana生成を続けるには、こちらからクレジットを購入して1回20クレジット消費(月4,780円で350回、年払いでディスカウントあり)で使う形になるものと思います。

・生成クレジットとは?:図版6

・商業利用は?

ベータ版は「いちはやく最新機能を試せるフィードバック用の実験アプリ」という位置づけですので、Adobe公式は補償の対象にならないとして、商業目的で利用しないよう呼び掛けています。ただ、FireFly image3による生成塗りつぶしや生成拡張など、一部の機能は既に正式版にも搭載されていますので、こうした「Betaラベルのない生成AI機能からの出力」なら、商用目的で使用することができるとのことです。(ソースはリンク先参照)

・商業利用は?:図版1

(https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/photoshop-beta-desktop-app.html よりスクショ引用)

・正式版ではどうなる?

Adobeは同社の生成機能を安全に商用利用できるようなブランド展開を重視しており、自社モデルであるFireflyのトレーニングには、Adobe Stockなど「使用許諾を受けたコンテンツのデータセットおよび著作権の切れた一般コンテンツ」を使用しているとしてきました。そのため、「著作権や知的財産権を侵害するコンテンツを生成することを確実に防ぎ、商用利用および教育目的の作業に安全に使用できる」とアピールしてきたわけです。

こちらの記事によれば、Adobeは「サードパーティーのモデルで生成した素材について、自社製のFireflyモデルで作成されたコンテンツとは異なり、商用利用が許可されない可能性があると警告している」とのこと。今後製品版での商用利用の扱いがどうなるかが注目されるところです。

Photoshop Betaで画像編集してみよう

前置きはここまでにして、さっそくPhotoshop BetaでのAIイラスト編集を試してみましょう。プラン加入後、「Creative Cloud Desktop」を開く▶「アプリ」▶「ベータ版アプリ」▶「Photoshop(Beta)」をインストール という流れで起動できます。

Photoshop Betaで画像編集してみよう:図版1

左上の「開く」からこのように、自作のAIイラストを開いてみます。この状態で既に、画面下にさまざまなPhotoshop独自の「バー」が表示されています。バーに表示されるメニュー内容は、画像の選択状態で自動的に変更されます。(絵に重なって邪魔な場合は、バーの左端をドラッグしてずらせます)

Photoshop Betaで画像編集してみよう:図版2